夜をみつめて



















「ねぇヴィス」
「あ?」
「この街の夜はいつもこんなに静かなの?」


紺に染まった空。今にも振りそうな金に輝く幾億の星。月明かりが、街を優しく包む。
そんな風景を横にならんだヴィスと眺める。


「・・・・そう、だな。もうこの時間はみんな寝静まっているだろう」
「そっか。初めて見た」
「何が」
「こんな夜」


地球では絶対に拝むことのできない風景だ。
ここはまだ何にも汚されていない。手をかけられていない。





「ずっと、変わらないんだろうね。この風景は」
「・・・・変わっただろう」
「え?」


ヴィスウィルは月明かりを見つめたまま。


「少なくとも俺にとっては変わった」
「何が?」















「ここで見る風景はいつも一人だったから」















隣には誰もいなかったはずだったから







こんなに近くのものが変わっている。









「・・・・どうしたの?ヴィス。なんか変」
「別に」






「私は」











「この風景がこのまま、静かだったらいいって思う」







要素とかよく分からないけど、ずっとこの風景は生き続けてほしい
街の人も、お城の人も、ヴィスウィルも






「お前も変だろ」
「失礼ね。私は普通よ。ヴィスは柄にもないこと言うから」
「柄にもない、ね。どこかで誰かにも言われた」











まだ、そんなに時間は経ってないけれど







あのときの風景もこんな静かだっただろうか













「明日、晴れるといいね」













それも


どこかで聴いた気がする










後書き
すいません!
どうしてもこのメロディが使いたかった!
だって超好み・・・!!!
あんまり意味のわからん話(にもなってない)ですが、何気に後々すごい響くことかいてます。
いや、読まないからあとの話が分からんとかそういうのにはならないんですが、あとの話を読んでからこれに戻るとあぁ、このことだったんだ、みたいな
楽しいな、これ
20080317








音楽素材↓
Amor Kana